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細菌性の急性咽頭・扁桃炎では重症度に応じた抗生剤の内服を行います。さらに悪化させないように早めに治療をしましょう。炎症が強いとき、のどの痛みで食事がとれないときなどは入院の上、点滴加療を行う場合があります。ウイルスが原因であれば抗生剤による治療は不要で、基本的には対症療法となります。
扁桃腺の炎症が悪化し、周囲に広がり膿を貯めるものです。強いのどの痛み、発熱、開口障害(口が開きにくい)などの症状が出ます。放置すると気道の周囲にむくみ(喉頭浮腫)を生じ、呼吸困難となることがあります。また膿が胸の方まで下がっていって、大変危険な状態になることもあります。20~30歳代の男性に多く、お子さんには少ない病気です。穿刺または切開で膿を出し、抗生剤の点滴、状態により入院加療を行います。
伝染性単核球症といってEBウイルスというウイルスによって扁桃炎が生じることがあります。抗生剤による治療は不要で、自然に治るのを待ちます。お子さんでは無症状か、3~4日程度の咽頭炎で治癒することも多いですが、思春期以降に感染した場合は強い症状が出ます。発熱し、扁桃腺が腫れ、扁桃腺に白苔という白い膜のようなものがみられます。扁桃腺だけでなく、首のリンパ節が腫れたり、鼻の奥の上咽頭というところにも炎症を起こします。また肝機能障害を生じることが多いので安静が治療として重要です。
声帯は声を出すときに振動して音を作り出す器官です。声の酷使によりこの声帯の両側に結節という小さいこぶのようなものができ、嗄声(声がれ)を生じるのが声帯結節です。学校の先生や保育士、歌手など声を多用する職業の方に多く、カラオケや詩吟、スポーツでの大声などが原因となることもあります。学童期の男の子にできることもあります。治療はまず声の衛生(音声の濫用の禁止)を保つことです。長時間話すことを避ける、聞き役に回るようにする、力んだ発声をやめ、やわらかい発声を心がける、大声を出さないなどです。また乾燥を避け、湿度を保つことやたばこの煙、飲酒を避けることも必要です。これにより改善してくる場合が多い病気です。
カラオケや応援で大声を出す、咳や咳払いなど一過性の急激な声帯の濫用で声帯粘膜に出血や循環障害が生じることによりポリープができると考えられています。ポリープができると嗄声(声がれ)が起こります。発症初期では声の衛生を保つことで消失する可能性があります。しかし、経過が長い場合は手術が必要となることが多いです。手術後も声の衛生が重要です。
一番気にかかるのはやはり、咽頭がんや食道がんです。特に固形物が通りにくい、しみるという場合は注意が必要です。危険因子としては喫煙、飲酒、女性では鉄剤を内服するような貧血があります。
口内炎の原因は感染、アレルギー、栄養障害、ストレスなどいろいろ報告はされていますが、どうしてできるかはまだよくわかっていません。治療により10日ほどでよくなる単純性アフタがほとんどですが、まれに全身疾患の部分症状として反復することがあります。口内炎を繰り返し、よくなるのに2週間以上かかったり、大きくて瘢痕を残して治るような場合はさらに検査が必要です。
原因としては亜鉛、鉄分の不足、舌炎、口内乾燥(口が渇く)、薬剤によるものなど様々です。風邪をきっかけに生じたり、原因不明のものもあります。治療としては亜鉛や鉄分が不足している場合はそれを補います。舌炎、口内乾燥がある場合はそれに対する治療が必要です。