その他の病気

【症状から調べる】

風邪

風邪

普通感冒、いわゆる風邪は、主にライノウイルス、コロナウイルスなどのウイルスによって生じる急性上気道炎です。鼻の乾燥感、鼻やのどの痛みで始まり、これらがすぐにやわらいだかと思うと、続いて2~3日目にはくしゃみ、鼻水(水っぱな)、鼻づまりなど鼻の症状が目立ってきます。はじめに熱が出ることもありますが、軽度で2~3日で下がります。鼻の症状がはじまった後に、少し咳が出ることもあります。風邪は発症2~3日目をピークとして全体として1~2週間でよくなります。お子さんでは年6~8回風邪を生じるといわれます。就学前までは多いですが、その後は減っていきます。成人になると年2~3回になります。

治療

軽症であれば、とくに治療の必要はなく自然に治癒します。十分な睡眠と安静が重要です。症状の軽減のため必要に応じ対症療法を行います。ウイルス感染では、抗生剤による治療は不要です。

合併症

急性中耳炎や急性副鼻腔炎は風邪をきっかけとして起こることが多いです。また風邪と思っていても、別の病気がはじめに風邪症状として現れることがあります。症状が強かったり、風邪として典型的ではない症状が出てきたり、症状が長引く場合は注意が必要です。

インフルエンザ

  • インフルエンザが他のウイルス性の風邪と違うところは、肺炎や脳炎、脳症などを合併しやすいことです。突然に発症し高熱や頭痛、体のだるさ、関節痛などの全身症状が強く、いったん流行すると短期間に乳幼児から高齢者まで感染が大規模に広がりやすいという特徴があります。肺炎はご高齢の方と5歳以下の小さなお子さんに多く、とくにご高齢の方の場合8.7~28.6%と高率です。また5歳以下の小さなお子さんはインフルエンザの感受性が高いため、同居していらっしゃるご高齢の方はとくにインフルエンザが重症化しないよう予防接種などの対策をとることが大切です。脳炎・脳症は2歳以下の小さなお子さんに多く、学童以下のインフルエンザ症例1万人に対し2~6人が発症しています。
  • インフルエンザの診断は迅速診断キットで行えます。鼻やのどのぬぐい液から10分ほどで結果が出ます。治療は内服薬、吸入薬などがあります。インフルエンザでは異常行動が起こることがあり少なくとも発症後2日間は保護者の方の目の届くところで見守ることが必要です。予防は手洗い・うがいの励行、マスクの装用です。また十分な睡眠など体調管理も大切です。予防接種の効果は3か月とされており、10月中旬から12月中旬までに接種するのが理想的です。

睡眠時無呼吸症候群

大きないびきをかき、寝ている間に、10秒以上呼吸が止まったり、呼吸が低下したりということを1時間に5回以上くりかえす場合に閉塞性睡眠時無呼吸といわれます。主な原因は体重過多(肥満)です。また扁桃肥大(扁桃腺が大きい)、下顎が小さいことなども原因となります。自覚症状としては、朝起きても爽快感がなく、疲労感があり、会話や食事をしたり、運転をしているときでも眠ってしまうという昼間の過度の眠気があります。閉塞性睡眠時無呼吸はまた高血圧や交通事故の危険因子ともいわれています。

治療

治療は、肥満がある場合はまずダイエットが必要です。また重度の閉塞性睡眠時無呼吸の場合はCPAPという機器を夜間に装着して治療します。顔にマスクを当て、鼻から空気を送り圧力をかけ、気道の閉塞を防ぐ機器です。CPAPは装着したその日から閉塞性睡眠時無呼吸を改善させます。CPAPに関しては毎月通院をしていただく必要があり、来院時には装着による効果をご報告します。扁桃腺が大きい場合はのどの手術を行うこともあります。鼻の病気がある場合は鼻の治療も重要です。口腔装置(マウスピース)を作成して対応するという治療法もあります。この場合は歯科の先生にご紹介いたします。

検査

睡眠時無呼吸症候群が疑われる場合は、まずはじめに簡易検査といって自宅で検査機器を使って無呼吸の有無を確認します。簡易検査で重度の閉塞性睡眠時無呼吸を認めた場合には保険診療でCPAP治療が可能となります。簡易検査で中等度でCPAP治療が考慮される場合にはポリソムノグラフィーという精密検査を行います。ポリソムノグラフィーで一定以上の閉塞性睡眠時無呼吸が認められれば中等度でも保険診療でCPAP治療が可能です。

お子さんの睡眠時無呼吸症候群

お子さんの睡眠時無呼吸症候群
  • お子さんでも睡眠時無呼吸症候群がみられます。睡眠時無呼吸症候群をもつお子さんの多くは、いびきや睡眠中の異常呼吸がみられます。たびたび夜中に目を覚ましたり、睡眠中、息を吸うときに胸がへこむような呼吸(陥没呼吸)がみられたり、また日中の過度の眠気(学校での居眠りなど)、朝の頭痛がみられることがあります。その他として身体発育への影響(背が伸びない、体重が増えない)、学業成績不振、注意欠陥/多動性障害、攻撃的行動の原因の一部になる可能性が指摘されています。夜尿症との関連も指摘されています。
  • 治療としては、お子さんでは扁桃腺やアデノイドといって鼻の奥にある扁桃組織が腫れていることが主な原因のため、手術(口蓋扁桃摘出術、アデノイド切除術)を行ったり、それらの組織の縮小を目的にステロイドの点鼻薬や抗ロイコトリエン薬の投与を行ったります。

その他の症状

いびき

  • いびきの多くは、鼻がつまっていたり、扁桃腺が大きかったり、肥満などでのどが狭くなっていることから生じます。また頸部の筋緊張の低下から加齢とともにいびきは増えていきます。
  • しかし、睡眠時無呼吸症候群という病気があり、いびきだけではなく、寝ている間に何度も呼吸が止まったり、呼吸が浅くなる場合は治療が必要となることがあります。体に負担がかかり様々な病気や症状を引き起こすからです。数ヶ月以上大きないびきが続いている場合は、一度受診してみてください。

顔が曲がった

  • 顔面神経麻痺といって、顔を動かす神経が障害されることがあります。片方の目を閉じることができない、うがいをしても口のわきから漏れてしまうなどの症状がみられます。様々な原因で生じますが、ベル麻痺という病気が多いです。ベル麻痺は、急に顔面神経に炎症を起こし、顔面神経麻痺のみが起こる病気です。
  • その他、耳介の発疹や、難聴、めまいを伴う帯状疱疹ウイルスによるもの(ハント症候群)、外傷、全身性疾患に伴うものなどがあります。顔面神経は脳から出て、きこえの神経と一緒に外に向かい、その後は耳下腺といって唾液を作る臓器の中を通って顔の筋肉に到達します。ですから耳の病気、耳下腺腫瘍などでも生じます。いずれにしても麻痺をなるべく残さないために早期の治療が重要です。
  • ベル麻痺、ハント症候群などでは強力な表情筋運動や、電気刺激による低周波治療を行うと、かえって後遺症を強めてしまいます。過度な表情筋運動を避け、表情筋のマッサージをすることが重要です。

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